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成長の軌跡 STORY16

自分のお話し(後半)

ちなみに前半のお話しはこちら

カウンセラーを仕事にするようになって、不思議な感覚に襲われた。
AC(アダルトチルドレン)のクライアントをカウンセリングした後、
精神状態が少し戻しづらくなる。
そして、NPOの理事など、マネージャーの仕事をしているとき、
私がやろうとしていることに批判的な態度をとる人に対して、
「強く攻撃されている」という感覚を持つようになった。
そして、私の噂を伝えてくる人に対しても、
「私を攻撃している人」という感覚を持つようになった。
私はその恐怖と不安から、相手に対し防衛的な反応をしてしまう。
パワハラと誤解されるような態度をとるまでに至ってしまっていた。

まさしく、不安定だった頃の母親の心理そのものに私がなってしまっていた。
心理学用語では、世代間連鎖という。

では、なぜそうなるのか。

「批判や否定される人になってはいけない。」
「周りからいい子だといわれ続けないと家庭(大事なもの)を守れない。」

私が守り続けている命令が、このような建設的な批判を、言葉通りに
受け入れられない現実を生んでいる。
批判や否定を感じると、自動的に「大切なものが壊される」恐怖と不安を
セットで想起される心理状態が作られていた。
いい子になれない自分になる。
命令が破られるのだ。それは大変私にとって恐ろしい事だ。

子供の私の心に戻すと、この命令を破るということは、
出て行こうとしている母親の手を離す事を意味する。
自分が、がんばれなくて家族の崩壊を受け入れたことになってしまう。
そんなことは、絶対に認められないのである。いくつになっても。

子供の頃の、孤独感や辛さやそして、親に感じた怒りを再現して、
感情的に反応してしまい、現在のコミュニケーション相手にぶつけてしまうのである。

例えば、自分のカウンセラーとしての自信が大切な守りたい事だとすると、
批判や否定的な言葉を受けると、カウンセラーの自信を深く傷つけられた思いを抱いてしまう。
建設的に対応せず、反射的に反応して、相手に敵対心をもって自分を防衛した態度で
接することになってしまう。

実際には、この怒りやさみしさは相手の批判のメッセージよってもたらされたものではなく、
私自身が相手の言葉に反応して勝手に心の中に過去の感情を再現して作り上げたものである。

自分のコミュニケーションの問題がここに明らかになった。

まずは、この状況を理解しておくことが大事なことになる。

そして、批判を受けたコミュニケーションで発生した、「さみしさ」や「怒り」は、
相手がもたらしたものではなく、自分の過去の心理状態の再現であることを知っておくと、
配慮と勇気をもって、コミュニケーション相手に対応が出来るようになるであろう。
今までは、精神的な感情から反応してしまうコミュニケーションだったのが、
今後は、課題に対応するコミュニケーションに変わっていくであろう。
ただ、その度にさみしさと怒りと辛さを感じる事は変わらない。

実は、この辛い気持ちを抱えつつ、私はこの命令は消さないでおこうと思っている。
カウンセラーになった自分は、自分自身でこの命令を消すこともできるのだが、
温存したいと思っている。
なぜならば、今私が暮らしている利益をもたらしたのもこの命令のおかげでもある。
人懐っこい性格や、愛着をもたれやすいカウンセラーとしてはありがたい恩恵も受けている。
しんどいときには、救ってくれる人が周りに現れてくれたり、
やさしさに支えられる人生を送れている。
支援者を引き寄せやすい状況も生み出している。
そして、私が守るべきだった家族は既に父親と母親の二人だけの世界になって、
私が責任を持つことはない。
母親が不安定だった時間からもかなり経過している。
さみしさと怒りと辛さは、このメカニズムが理解できていれば
コントロールできる範囲までになるであろう。

病気と一生付き合う人がいらっしゃるように、
私もこの命令と付き合いながら人生を送ろうと思う。

そして、これからは批判的な言葉や否定的な言葉を受け、「うっ」となるたびに、
たかあき君に「辛かったんだね。がんばったんだね。今は大丈夫なんだよ」
と声をかけていくのだと思う。

それが、私のこれからの人生。

解説)
私の場合は、軽度のACであり、母親は早期に成長して既に変化しており、
受け取った命令が人生に好影響をもたらされたこともあったので、
対策を取ったうえで、その命令と共存するという選択をした。
一方、私のクライアントに多く見受けられる重度の虐待経験や、
ネグレクト(育児放棄)、親からの継続的な暴言、悲しい性体験などから作られた、
その後の人間関係に悪影響しかもたらさない、破壊的、自虐的な感情の命令もある。
これらは、傷を癒しながら、守られた安全な環境で過去に直面して、
命令そのものを除去した方がいいこととなる。
この話は、過去に直面し、自分の受け取ってしまった命令に気付くとこまでの
例として参考にしていただけると思う。
自分の過去の傷に直面することは、本人一人では大変つらい作業になるため、
カウンセラーなど過去の傷に理解と共感が出来る専門家と共に
安全に過去に向き合うことが望ましいと思う。