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成長の軌跡 STORY8

白紙の心が必要な時

財布に穴が開いていて、10000円を落としたとする。悔しい。誰かに話したい。話そうとすると、そいつはひったくりに合って、財布を失ったという。私の話を話すことができなくなる。財布を失った人が話をしようとすると、そうすると誰かに騙されて家族の財産を失った人がいる。ますます私の話は話せなくなる。

東日本大震災で被災され、既に40日以上も長い間避難所を生活の場にしている人と話をする。
東京から来たしょぼくれたおじさんである私がお部屋にお邪魔したり、喫煙所の会話に入ったり、とにかく話を伺う。傾聴ボランティアとかカウンセリングという構えでこちらはいくが、相手の話をただ相手が話したいようにお伺いしているだけなのである。もちろん、最初から涙なくては話をきけないようなこともある。明るく話しているが、内容はとても重い。一方、まったく日常の会話をすることもある。水道の工事の値段を吹っかけられたとか、避難所で欲しいものはとリクエストされて、まず「酒」といった話とか、どの銘柄の煙草がまだ品薄だとか、一見明るく聞こえるお話しである。いろいろお話ししていると、息子夫婦が心配で何度も来てくれた話とか、仕事の話など、本人が話したい事や、周りに気を使って言えなかった気持ちなどが出てくる。

これは妄想の作り話。
大きい消しゴムを親友がもっていた。「いいなあ」と言ったら大きい消しゴムを半分に切って「あげるよ」と言って渡してくれた。親友の証だ。その気持ちがうれしくて大事に大事にもっていた。消しゴムはもうカチカチになってるが、それでも大事に机の中にしまわれていた。そして、あの日消しゴムと一緒に家が流されてしまった。消しゴムは見つからない。とてもとても悔しくてたまらない。そんな話は誰にも言えない。だって、みんな消しゴムよりも大切なものを失っていると思うから。

あなたが悔しいことは、きっと本当に悔しい事。
あなたが悲しいことは、きっと本当に悲しい事。
あなたが辛いことは、どんなことでも辛い事。
あなたが楽しいと思うことは、きっと本当に楽しい事。
あなたが喜ぶことは、とてもそれは幸せな事。
あなたが望んでいることは、心に大切に持ち続けること。

一人一人の思いの深さや受け止め方はそれぞれでいいのだ。
東京からきたしょぼくれたおっちゃんはただその思いを受け止めるだけでいいのだ。そうして、話をして感情を出しながらこのいろいろな思いを次の人生の成長に向けて動いていける。自分で前に向ける力が成長する力が準備されてくるのを感じるときがカウンセリングで幸せを感じるときである。今は弱弱しく見えても本当のたくましさを信じているからカウンセラーも頑張れる。

これからも被災地に傾聴にお伺いする方も多いと思う。
悲惨な出来事や涙を誘う話だけを伺いに行くわけではない。相手が話したいことを受け止めにいくのだと思えば、相手が言いたくても今まで言えなかったことがドワーっと流れてくるのを感じられると思う。白紙の心を提供していけば。

※)実際にお伺いしたお話しを類似のストーリーにフィクションにして掲載しております。

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