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成長の軌跡 STORY9

行動から心の成長を実感できる時

外出先に少し早くつきそうなので、一駅前に降りて歩いて時間を調整する。見知らぬ街の風景を見るとどこかわくわくした気分となる。横断歩道を渡る親子を見かける。母親がベビーカーを押しながら3歳くらいの女の子と共に横断歩道を渡っている。ベビーカーには女の子の弟か妹かが乗っているのだろう。母親の後ろを女の子はゆっくりと進んだり戻ったり、ぐずぐずしているのである。母親はしきりに娘に「早く渡りなさい!」と叱咤しているが、それでもぐずぐずしている。歩道用の信号が点滅をはじめ、見かねた母親が女の子の所にいき、抱きかかえて横断歩道を渡り終えた。女の子の顔からはとても素直な満足した表情がうかがえた。「そういうことか、よくやったな。」と私も心でつぶやいた。ぐずぐずすることによって、母親の抱きしめられる愛情がもらえる。一見ネガティブな行動にもちゃんと目的がある。この瞬間をビデオにとって、その子が大人になったときに、「どうしてもやってしまう行動」に悩んだ時に見せることができたら、カウンセリングがうまく進むのになあ。と考えていた。

ある掲示板でのやり取りがきっかけでセラピーに発展した女性がいた。

その人は、「謎の不安にかられる」という。今までお金をかけて催眠療法や他のカウンセリングも試したらしいが、うまくいかなかったいう。その人にいろんな要素がある場合、意識がその瞬間認めているのは心の一部分であり残りの部分が抑圧されていることが多い。実は本人にも気づいていない意識のエコヒイキもしくは、ある局面でしか発揮できない心を聞いてしまうことがカウンセリングではよく発生する。本人が抑圧している部分をさらけ出す前に本人の一部の立場を賛成する接し方をしてしまうと、カウンセリングは成功しないであろう。抑圧された部分の心は「この人に話すと消されてしまう」と感じるはずである。丁寧に本人の意識がいろんな心の状態をドロドロだしていき「俺だってがんばってるんだぞー」というメッセージがでるまで辛抱強く待つ。この方の場合は、既にちょっと不公平に感じてた心の部分が主張し始めていたので、お話が次々と出てきた。

二つの心の葛藤を語る。いじられキャラでおちゃらけて関係をもちながら、「相手にとってどうでもよくなるよう振舞う自分」と、不必要と思われることを恐れる「相手ともっと深いつながりを持ちかけがえのない存在でありたい自分」とがいて、行動が不安定になってしまうという状態であった。片一方の心の状態は小さい頃から作り上げてきた自分で、もう一方の心の状態はある恋愛の事件をきっかけに作り上げてきた自分であった。そうとう強い人なのであろう。どちらの心も行動がかなり偏向するほど芯がある強い心に出来上がっているのである。物語がドロドロ出てきた。辛い出来事を鮮明によくお話ししてくれた。素直な方である。心にアクセスしやすい意識を持つ人はかわいく感じられる。こういう彼女を持つと彼は大事にするんだろうなぁ。

語っていくうちに彼女は混乱してきた。カウンセリングでよくあることだが、いろんな心の部分を話していくうちに自分はどっちの味方をしているのかわからなくなってくるのである。それでいい。だからこそ、我慢してきた心の部分は今まで消えずにやってこれたのである。悩んでいる間にも彼女の成長は続いている。

ここで、本人の了承を得て認知療法的アプローチを展開していく。私の役割はカウンセラーから本人が心を再認知していくガイドの役割に変わっている。それぞれの心の部分にアクセスして、そこから得られていること、自分の心が頑張っていることを探ってもらった。行動に隠されている肯定的な意味を知っているのは無意識の心の状態であり、意識でコントロールしている本人は実は気付いていないことが多い。カウンセラーはそれを本人にスコップを渡してほってもらう仕事を本人にお願いするのである。「だいたいこの辺に埋まってそうかなぁ。」と言いながら。
ここでコツがある、否定的なことではなく肯定的な事柄に変えてもらう作業を本人にしてもらう。これは本人が実際にやった作業を例にあげる。

否定的な意味:人から嫌われないようにする
肯定的な意味:人から必要とされる人間になって、それを実感し、喜びを得られるようになりたい。

否定的な意味:否定されて傷つかないようにする
肯定的な意味:人の言葉にユーモアを持って聞ける余裕を持ちたい。
(否定というのはだいたい冗談が多いのでそれが気にならなくなりたい)

ここで最初の少女の話に戻る。
彼女は、母親にギューと抱きしめてもらえるために、横断歩道でぐずぐずしていたのである。じゃ、どうしたら横断歩道でぐずぐずしなくなるかというと、他の方法で母親にギューと抱きしめられる事を覚えればいいのである。目的が温存されれば、行動は変えていいと思えるようになる。少女にとって重要なのはギューと抱きしめられることなのである。

そして、相談者の話。
それから数回セッションを行い、彼女は自分でやりたいことが把握でき、行動も無理のない範囲で変化することができるようになった。服が成長に応じて合わなくなるように、心の成長も段階的に必要な時がくるかもしれない。その時も同じ方法でまた自分を探って、感謝して、積極的な意味を確認して、行動を変更することができるだろう。すべての心の部分がきっかけは悲しい事でも、成長した心は必要で重要だったと感謝しながら生活できるようになった。その言葉は普通に明るくなった感じがした。既に心が成長していることを理解することに成功したのである。

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